夏至

夏至。一年で一番太陽の出ている時間が長い日。気付いたら真っ暗に日が暮れていた。月を見上げたら雲の水分に反射して傘がかかっていた。夜道、帰りながら、今までのこと思い出す。いけない、いけない、考えすぎては、いけない。頭から追い出す。頭が余計に働いている。生理前だからかもしれない。感覚が過敏になる。ずっと、考えている。意味のないことを。いくら考えても答えの出ないことを。いくら問題を解いても、いくら解説を見ても、見つからない。答えの出ないことにはめっきり弱い。それは答えを出すことを仕事にしているからだろうか。空虚が、いつもある。何をやっているんだろう、私は。またこんなことで手間取って、もたもたしている。その間に、学生の頃は、恋愛なんて、結婚なんて、家事なんて、子育てなんて、縁遠そうだった人たちが、卒なくこなしている。私は、いつまで経っても、学生の頃のまま。変わらないね、は褒め言葉か。女としての性を諦められるほどの能力と、精神力があれば。中途半端だ。