秋雨

梅雨が終わり、仕事が忙しくて、バタバタしていた。その間は、割と考えなくて良いことを考えずに済んだ。疲れすぎて考えることができないくらいだった。今日何かを買って帰らなくてはならなかったけれど、何だったのか、思い出すという動作すら億劫に感じて、ただ家に帰ることだけを目標に過ごした日がほとんどの夏だった。合間に本を読んだりゲームをしたりたまに朝寝坊をしたりまた新しい出会いを求めたりもした。でも常に頭は仕事でいっぱいだった。寝ても覚めても仕事だった(実際、夢の中でも仕事をしていた)。それはそれで、良かったのかもしれない。そんな繁忙期も終え、少しずつ、日常に戻ってきている。そこでまた、雨の季節が私を待ち構えていた。肉体的な疲弊はやはり精神的な苦痛から目を背けさせてくれる。しかし、仕事が落ち着けば、雨の季節が始まれば、また私は思索の森に迷い込んでしまう。それが意図的なのかそうでないのかは分からないが。少しひんやりとした秋の夜の空気は私を苦しめる。最近は、布団に入ると息苦しくなってしまう。気管がぎゅっと締め付けられたようになる。あまりの苦しさに気を紛らわそうと携帯をいじり始めれば、その間は平気なのだが、また寝ようとすると襲われる。自律神経的なものなのか、アレルギー体質からくる喘息的なものなのか、分からないが、この息苦しさを持ってひとりで過ごしている夜に対してさらに苦しくなる。しばらく大丈夫だったのに、またYouTubeを見られなくなってきた。私が求めていることやものは普通じゃないのだろうか？夢物語なのだろうか？勉学や自分のキャリアに対してであれば、自分の努力次第のところが割と大きい気がするが、男女関係であればそのようにいかない。雨が降る秋の夜長に苦しくなって、誰かに慰めてもらうことはできないのか。恋愛なんて、ドラマや映画や書物の中にだけ存在すれば良いのに、と思う。実際はそれらのように綺麗事だけではない。というより、綺麗事なんてないと思っている。今のところ。結局男性は、恋愛や女性を自らの欲望を達成するための手段としか思ってないのではないだろうか？その目的を達成するまでの過程をじっくり楽しめる人とまだ出会うことができてない。もしくは、そのような人はいないのか。目的が違う人とどうやって上手くやっていけばいいのか？そんなことはできるのか。私に経験がないからそう思ってしまうのだろうか。全然楽しくない。恋愛が。好きになる人とは結ばれない。もしくは徐々に合わないことに気付く。なんでこんなことをして消耗してるんだろう、と我に返ってしまう。しかし、自分に相手がいないことにも消耗してしまう。八方塞がりだ。おんなじことを繰り返して、手応えがまるでない。意味があるのだろうか？練習がまだ足りないのか？どうしたら良いのか全くわからない。対策のしようがない。私は人間として生きていくのに欠陥があるのだろうか。コミュニケーションの方面において。就活がうまくいかなかったことを思い出す。性格がいけないのか？見た目はダイエットしたりネイルを整えたりアクセサリーを試したり色々努力はしてみているが。わからない、さっぱりわからない。わからないからつまらない。手応えがあればまだ良いが。最近は、考えても答えの出ないことは考えないようにしている。そして、世の中白黒つけられないことが殆どだ、ということも言い聞かせるようにしている。また、寝ようとしたら息が苦しいことに気付いた。来月の健康診断で、何かあってくれた方がまた楽ができるのにと思った。身体に数箇所できた丸い湿疹と、最近顔にうっすらついた赤い大きな斑点？跡と、身体のむくみに少し希望をかけてしまう。そんな人生だ。