意識高くないブログ

アラサーに差し掛かった女による、もう色々書く、あふれ出る感情とか勉強とか仕事とか病気のことなど

カレー

家に帰る時、ひとり、カレーのにおいがした。どこからだろう。小雨がぱらつく日曜日の夜、誰かが蒸し暑さで窓を開けて、カレーを食べているんだろう。そういえば最近、家のカレーを食べていない。父親の作るカレーはお世辞にも美味しいとは言えない。病的なせっかちのせいで、カレーの野菜が煮えるまで、待てない。おまけにサラサラで、味が薄い。小学生でも、もっとましなものが作れるんじゃないかと思う、カレー。それを初めて食べてから、父親のカレーは口に入れることを躊躇してしまう。妹によると、最近は少しずつ上達しているらしいが、父親も自身が下手であることを自覚したのか、あまり食卓に上らなくなった。母親のカレーは、もう3、4年程食べていない。何年前に家を突然出て行ったのか、忘れしまった。もう一生食べることがないのかもしれないとも、思う。死んでしまったわけではない。すぐ会える距離にいるし、実際1、2ヶ月に1度は会っている。カレーを作ってよ、と言えば、食べにくれば?と言うだろう。しかし、お互い仕事もある。尤も、母親は介護士をしていて、休みが土日とは限らないのだ。一応土日休みの私とは、なかなか予定が合わない。何より、母親には彼氏がいる。年下の。同業ということは知っているが、会ったことはない。会ったところでお互い気まずい沈黙が流れるだけだ。それを頭に思い描いてから、母親(と彼氏)の家へ上がろうとは思わない。だから、カレー。これだけでこんなに文が書けるんだ。